※今回はR18指定はおろか、むしろポルノ枠に足を突っ込んでる映画の感想です。閲覧にはご注意下さい。
邪知暴虐なローマ帝国皇帝、カリギュラのやりたい放題放蕩&残虐人生を描いた、ほぼポルノ映画。何故かキャストは主人公役のマルコム・マクダウェルをはじめ、ピーター・オトゥール、ジョン・ギールグッド、ヘレン・ミレンと豪華勢揃いです。
どうやら監督がキャストに「歴史物映画撮るよ~」と騙して参加させた様子。そりゃ訴訟も起こされるワケです。とはいえ一流キャストを使ってる上、映画セットや衣装はゴージャスなので全体的な見栄えはそこそこイイです。しかし実態は乱交シーンが見せ所なので歴史映画として見るにはかなりキツいかも。
キャストは歴史物映画だと思って演じてくれてますが、ちょいちょい別撮りでガチなポルノシーンが入ります。編集されまくって完成した映画に聞いてもいないポルノシーンが入ってるんですから、これはキャストが怒っても仕方ありません。
ちなみにこの映画が一部地域で公開禁止になり、かえって世間の話題を惹いてしまったことから「カリギュラ効果」(禁止されるとかえってやってみたくなる心理のこと)という言葉も生まれたそうです。
※続きより作品の内容に触れてしまう記述(ネタバレ)です。
あってもなくてもイイあらすじ:暴君ティベリウスが実孫を後継者にするため、養子であるカリギュラに毒を盛って暗殺しようとするも失敗、その直後に暴君ジジイが危篤状態になったのでカリギュラはジジイから皇帝の指輪を奪い、ついでに彼の忠実なる親衛隊長マクロがジジイを殺してくれて皇帝の座をGET☆しかし次第にカリギュラの横暴さと狂気さがレベルアップしていき、残虐な見せしめ処刑で親衛隊長殺し~の、ティベリウスの実孫を殺し~の、挙句の果てにカリギュラ様は神様です政権までしちゃって敵を作りまくって暗殺されちゃう…という単純ストーリー。
主人公のカリギュラ役は時計じかけのオレンジのアレックス役で有名なマルコム・マクダウェル。
セックス&バイオレンスかつ狂気じみてるアレックス役の演技がとっても凄まじかったマルコム氏。狂気すら感じる人間離れした鋭い眼力は目を見張るほどの鬼才っぷり。しかしこの人の狂気じみた演技や表情を見るならフツーに時計じかけのオレンジを見たほうがいいです。カリギュラでもそれは見られますが(というかキャラ的には一緒)、時計じかけのオレンジにはかないません。
ちょいちょい別撮りのガチポルノ映像(フェラや本番は当たり前で同性愛やSMもあり)や何の為に入れたのか分からない性器のドアップがちょいちょい入るので歴史映画として見るにはめちゃくちゃ鬱陶しいかも。
かといってAVのように行為を集中して撮ってるという訳ではなく、あくまで情景描写程度に入ってるだけなので抜けるかと聞かれたら裸で興奮出来る未成年くらいしか抜けないと思います。(映画なのに抜ける抜けないの話をしちゃうのもおかしいですが。)
マルキ・ド・サドの小説のような豪華爛漫な乱痴気騒ぎと権力者ならではのゲス展開が好きな人なら楽しめる作品かもしれません。私は割と好きですよ、この映画。
実際にいたカリギュラとの相違点をwikiで調べた所、確かに映画のカリギュラ同様残虐非道で放蕩の限りを尽くした人物のようですが、彼に関する文献はかなり偏った、それこそ事実ではない事も含まれているようなので何処までが本当で何処までが嘘なのか定かではない様子。暴君ティベリウスの次の皇帝という事で国民からはかなりもてはやされたようですが、愛馬を執政官や聖職者にしようとしたという事実か分からないキチガイエピソードがあるという事は少なからず権力者からは余り良く思われてなかったようです。
参考 – カリグラ(wikipedia)